皮脂とは?汗とは?これらの明確な違いとは一体何か?

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皮脂と汗の違い

皮脂とは何でしょう?汗とは何でしょう?そして違いとは・・・。

「テカリ」や「ベタツキ」の共通のキーワードとしてよく聞かれるのが、「皮脂」と「汗」。どちらも臭いの原因になったり、メイクを乱すこともあります。特に夏は、その2つに悩まされている人は多いですね。

では、「皮脂」と「汗」の違いって何でしょうか。肌への影響が似ているため、「同じようなもの」というイメージがありますね。果たして同じなのでしょうか違うのでしょうか、何様なのでしょうか!

この記事で、両者の違いをおさえて、是非今後のスキンケア生活に役立ててみてくださいね。

皮脂とは

皮脂とは

まずは「皮脂」について見ていきましょう。

言葉の意味

「皮脂」の意味について、国語辞典やWikipediaなどから引っ張ってみましょう。

皮脂腺から分泌される半流動性の油脂状の物質。肌や髪をうるおし、乾燥を防ぐ役をする。

引用元:goo辞書

皮脂の大部分はトリグリセリドに代表される中性脂肪で、その他脂肪酸やスクワレンなどからなります。

引用元:MENARD

皮脂腺から分泌される脂肪などを含むエマルション様の液体である。成分はグリセリン脂肪酸エステルである。

引用元:Wikipedia

何やら難しい言葉が並んでいますね。辞書的には以上のような意味があります。でも実際、この言葉を使うシーンや時々によって多少意味が変わったりもするので、完全な定義は難しいかもしれませんね。

以上だけの情報だけではピンと来ないと思うので、当方で以下のとおり簡潔にまとめて補足をしておこうと思います。

特徴や役割

「皮脂」の特徴や役割は以下のとおりです。

  • 字のごとく「脂(油)」のことで、皮脂腺から出るドロドロとしたもの
  • 皮脂腺はおでこや鼻、あごに多いため、そこに皮脂が出やすい
  • 成分はトリグリセリド(グリセリン脂肪酸エステルの一種)などの中性脂肪
  • 皮膚・頭皮の表面を覆い、乾燥や刺激から守る
  • 皮膚の常在菌のエサとなり、肌の環境を良好に保つ
    (肌が弱酸性となり、病原菌・雑菌などから守る)

いかがでしょうか。「皮脂は化粧崩れの元凶だ」「皮脂はいらないよ!」と皮脂を毛嫌いしている人も多いと思いますが、体に貢献してくれているのです。といいますか、必要だから出るのですね。

皮脂が分泌される「とき」

では、どんな場合に皮脂は分泌されるのでしょうか。当方が考えているのは、以下のときです。

  • 常時(健康に体が機能しているとき)
  • 肌が乾燥しているorしそうなとき
  • 肌・体に不調があるとき【過剰分泌】
  • 心に不調があるとき【過剰分泌】

皮脂は必要なものなので、体が健康的である以上、少しずつジワジワと出ています。これは仕方がないことです。体質によって、量が多かったり少なかったりはすると思いますが、誰でも皮脂は出ています。

また、空気が乾燥したりして肌が乾燥してくると、未然にダメージを防ごうと皮脂が出ることがあります。しかし乾燥のほうが打ち勝ってしまうと、皮脂が過剰に分泌されてしまう場合も。これに悩まされている人は実に多いでしょう(乾燥性脂性肌)。

さらには、ストレスや疲れなどが溜まり、自律神経の働きが乱れることでも皮脂の分泌機能は狂ってしまいます。特に「交感神経」が優位に立つと、男性ホルモンの過多によって汗とともにドロっとした皮脂が出てくることがあります。

考えられる肌の不調

肌の不調

健康な量の皮脂であれば問題はないものの、洗顔を行わずにそのままの状態で放置したり、過剰に分泌されてしまった場合などには、次のような不調が引き起こされることがあります。

  • 雑菌などによって分解され、臭いが出てくる
  • 毛穴に詰まっていき、ニキビの発生確率を上げる
  • 肌の乾燥が深刻になる(=乾燥性脂性肌の悪化)

臭いに関しては「顔の皮脂の酸化や臭いに困った!その原因と5つの対策」という記事に詳しいので、良かったらご覧ください。

また、皮脂というのは毛穴にある皮脂腺から出ているため、放置すればどんどんと毛穴が詰まっていき、アクネ菌(ニキビ炎症を引き起こす元凶)に襲来される危険性が高まります。

さらに、(特に多くの成人女性に言えることですが)「乾燥性脂性肌」がますます悪化。肌内部は乾燥しています。皮脂をおさえるようなケアをしていかないと肌が敏感化していってしまう・・・これが目に見えています。

皮脂についてのまとめ

以上で説明したことをあっさりまとめると、以下のような感じです。

  • 毛穴にある「皮脂腺」から出てくるドロドロ
  • 主におでこや鼻、あごに出やすい
  • 肌を乾燥・刺激・不調から守る
  • しかし、放置・過剰分泌は臭いやニキビを招く
  • 健康な肌でも、皮脂対策は必要

これぞ「皮脂」です。どんなものか、だいたいお分かりいただけましたか?

汗とは

汗とは

さて、次は「汗」について見ていきましょう。

言葉の意味

「汗」の意味について、先ほどと同じく国語辞典とWikipediaから引っ張ってみましょう。

皮膚の汗腺 (かんせん) から分泌される液。水と、微量の食塩・尿素などからなり、皮膚の乾燥を防ぎ、また、体温の調節をする。興奮・恐怖などの精神的影響からも手のひらや足の裏などに分泌する。

引用元:goo辞書

哺乳類が皮膚の汗腺から分泌する液体である。およそ99%が水であるが、さまざまな溶解固形物(主に塩化物)も含む。o-クレゾール、p-クレゾール、および少量の尿素などの化学物質もしくは芳香化合物も含まれている。

引用元:Wikipedia

「皮脂」よりも堅苦しい説明のような気がしますが、汗というのはこれだけ複雑なものなんですね。では、以下にて当方が特徴等をまとめて補足しておきましょう。

特徴や役割

「汗」の特徴や役割は以下のとおりです。

  • 「汗」のさんずい(氵)が表すように、汗腺から出る液体
  • 成分は、99%が水、あとは塩分や尿素など色々
  • 肌を乾燥から守ったり、体温を調節する(熱を体外へ逃がす)
  • あらゆる健康シグナルとしても頼りになる

「汗は出さなきゃいけない」とよく言われますが、それは体にとって必要だからですね。汗も「化粧崩れ」「テカリ」などで毛嫌いされますが、一方的に悪く見るのは避けたいところです。

汗が分泌される「とき」

では、どんな場合に汗は出てくるのでしょうか。まあだいたい想像は付くと思いますが、まとめておきましょう。

  • 体温が高くなったとき【熱温性発汗】
  • 精神的に緊張しているときや恐怖を感じるとき【精神性発汗】
  • 辛い物を食べたとき【味覚性発汗】
  • 体や心に不調があるとき【過剰分泌】

真っ先に頭に浮かぶのは、やはり体温上昇による汗。気温が高かったり熱があったり運動などしたときの汗ですね。体が熱を持つと脱水症状に陥ったり機能に負担がかかるため、汗が熱を逃がしてくれます。

そして、精神性発汗は俗に言う「冷や汗」。ドキドキしたりビクビクしたりするときに出てくる、あの嫌な汗ですね。血の気が引いている(≒肌が冷めている)にもかかわらず汗が出てくるため「冷や汗」と呼ばれる、という説があります。

発汗

また、急病や怪我で激痛や苦しみを感じたときに、自律神経のひとつである交感神経が優位になって汗が出ます。ほかにも、心身に何からの病を抱えていたりすれば、発汗機能が乱れて過剰分泌されることがあります。

脂汗

「脂汗」というのを聞いたことはないですか?通常の汗は99%が水分ということでしたが、「脂汗」というのも、実は成分はほとんど変わらないのです。

では何が違うのかと、ポイントは「皮脂」です。先ほど書きましたが、皮脂はおでこや鼻、あごなどの部位に出やすいということでしたね。要は、その部位に出てくる汗のことを俗に「脂汗」と呼んでいます。なぜなら、皮脂と混ざりやすいためです。

すなわち、「汗+皮脂=脂汗」であるわけです。そのため、普通の汗よりも脂分が多く、ドロッとしている傾向にあるでしょう。

 なお、高熱があるときや激痛や苦しみを感じたときに脂汗が大量に出たり、病気を隠し持っているときに掌(てのひら)や足の裏などから大量に脂汗が出る。それは一種の「危険シグナル」という説があるが、いったい何のために脂汗である必要があるのか、詳しくは当方では分からないため申し訳ない。が、この類のお話については、是非「脂汗の原因は意外に怖い!SOSを察知して対策をしよう!」の記事を参考にしてほしい。

悪い汗

汗には「悪い汗」というものがあります。何らかの病気を抱えていたり運動不足に陥っている人がよく出す汗です。なぜ「悪い」のかというと、汗本来の性質からかけ離れているからです。

発汗時、そこに含まれるミネラル分は通常体に再吸収されますが、それが行われにくくなるためミネラル分の多い汗となります。よって塩辛い。そして、雑菌たちがそれをエサとするため「臭い」が生じます。その上、体はミネラル不足になり「熱中症」にかかりやすくなります。

このメカニズムに関しては諸説あると思いますが、皮膚にたくさん存在する「汗腺」の働きがアンバランスになってしまうようです。

アポクリン汗腺の汗は特殊

「汗腺」といえば、通常は「エクリン汗腺」を指すでしょう。「エクリン汗腺」は体中の皮膚に存在しています。

一方、「アポクリン汗腺」というものを聞いたことはないでしょうか。脇の下、陰部、乳輪、足の裏などの毛穴に多く存在します。勘の鋭い方はお気づきかと思いますが、それらの共通点はずばり「性的」であることですね。異性を寄せ付ける本能として、フェロモン的な役割があるという説もあります。

さてこの「アポクリン汗腺」から出る汗ですが、これが臭いの原因です。靴や下着が臭かったりしたら、ほぼこの汗のせいかもしれません。

ただ、汗そのものは臭いません。成分としては水分が70~80%でアンモニアや脂分などの割合が多いがゆえに、雑菌がそれらをエサに襲来し、臭いが発せられるようです(つまり、フェロモンとは別物)。

緊張やストレスを感じたときなどに、「アポクリン汗腺」から多く発汗される傾向にあります。先ほど挙げた「冷や汗」(精神性発汗)が臭いやすいのは、この汗が原因になっていると考えられるでしょう。

考えられる肌の不調

肌の不調

汗といえど、そのまま放置しておくことは良くありません。毛穴に流れ込んで蒸発すれば汚れや皮脂だけが詰まって、雑菌の繁殖、臭い、そしてニキビを誘発する原因にもなります。

また、傷や肌荒れを刺激したり、汗疹(あせも)、脂漏性皮膚炎の悪化、強い臭いの放出にもつながるかと思います。

汗をかくことは悪いわけではありません(健康な汗は、むしろかくべきです)が、必ず拭き取るようにしたいものですね。汗をかいたまま涼しいところ(または寒いところ)にいれば、風邪だって引いてしまいます。

汗についてのまとめ

色々情報が多くなってしまいましたが、ここで簡潔にまとめておきましょう。

  • 「エクリン汗腺」から出てくる、ほぼ水の液体
  • おでこや鼻、あごの汗は皮脂と混ざりやすい(脂汗)
  • 体温の上昇を防ぐのが主な役割
  • あらゆるメカニズムによって発汗される
  • 汗状態で健康状態を推し量れることがある
  • 「アポクリン汗腺」は特殊で、臭いの元となる
  • 放置すると、肌荒れの悪化や風邪を招くことも

これぞ「汗」です。いかがでしたか?

皮脂と汗の違いとは

皮脂と汗の違い

ここで改めて、両者の違いを比較してみることにしましょう。

皮脂
  • 毛穴にある「皮脂腺」から出てくるドロドロ 
  • 主におでこや鼻、あごに出やすい
  • 肌を乾燥・刺激・不調から守る
  • しかし、放置・過剰分泌は臭いやニキビを招く
  • 健康な肌でも、皮脂対策は必要
  • 「エクリン汗腺」から出てくる、ほぼ水の液体
  • おでこや鼻、あごの汗は皮脂と混ざりやすい(脂汗)
  • 体温の上昇を防ぐのが主な役割
  • あらゆるメカニズムによって発汗される
  • 汗状態で健康状態を推し量れることがある
  • 「アポクリン汗腺」の汗は特殊で、臭いの元となる
  • 放置すると、肌荒れの悪化や風邪を招くことも

こうやって比較してみると、汗のほうが項目が多いですね。これは「汗のほうが悪者」というわけではないので誤解だけしないようご注意ください。

いずれも、やはりどこか似たような感じがしますね。が、別物です。

  • 皮脂と汗は別々の場所から分泌される
  • たとえるなら、皮脂は油で汗は水(水と油の関係)
  • でも混ざり合うことがある(特に脂汗が良い例)
  • 皮脂は乾燥防止担当、汗は体温調節担当といった側面が強い
  • とにかくどちらも肌・体を守るためにある
  • でも肌の環境を悪くしてしまうこともある
  • どちらもストレスによって過剰に分泌されうる

以上が、当方の視点によるまとめです。これが100%正しい見解か?といったらそうではないかもしれませんが、当方が思うところの「皮脂」と「汗」についてです。上の中から違いだけを抽出するなら、

  • 皮脂腺から出る ⇒ 皮脂
  • 汗腺から出る ⇒ 汗
  • 油っぽい ⇒ 皮脂
  • 水っぽい ⇒ 汗
  • 乾燥防止 ⇒ 皮脂
  • 体温調節 ⇒ 汗

となるでしょう。ただこれは、大きく二分したら・・・のお話です。実際は混ざり合うこともあれば、「皮脂」「汗」と一口に言っても様々な働きがあります。それは今回お伝えした説明で、ある程度お分かりいただけたかと思います。あくまで「イメージとしては」以上のとおりです。

・・・化粧崩れをもたらし、ベタツキやテカリをもたらす皮脂と汗。日頃からスキンケアを怠らずに続け、また、体や心の健康面からも毎日毎日着実にケアをしていきたいものですね。


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