ニキビ「治す・効く」という化粧品(コスメ)は存在せず?!

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ニキビ治すはありえない

当方は、あらゆるコスメサイトを閲覧したり参考にしたり、またネットサーフィンを楽しんだりする機会が多いのですが、ふと「これはいけない」と思った事柄があります。それは、ニキビ対策用のコスメとして「治す」「消す」「効く」化粧品があると信じている人が多いという現実です。

さらに、それだけならまだしも「これがニキビに効く!」「消す!」といった表現を使って、堂々と商品を宣伝している媒体さえあります。運営者は気付いていないのか、それとも知っていて書いているのか特別な事情があるのか分かりませんが、基本的には法的にNGのはずです。

今回は、そういった小難しいお話を、少しだけ掘り下げてお伝えしましょう。

当記事内容は、2015年10月現在のものです今後の法律の改正などにより、詳細・条件などが変わってくる可能性があります。

当記事を書いた者は法律の専門家ではありません。「それでもいい」という方は、この先を “参考程度に” ご覧ください。正式な情報や詳細は、別途、自己責任の下でお調べいただくようお願いします。

 

薬機法(旧・薬事法)をのぞいてみよう

法律をのぞく

『薬機法』(=医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)をご存知ですか?旧薬事法を改正したものなので「改正薬事法」と呼んだり、「医薬品医療機器等法」といった別名もあります。

化粧品や薬用化粧品も、医薬品と同様にその法律に支配されています。

化粧品、薬用化粧品、医薬品とは?

法律ブログではないので、ごく簡単に説明したいと思います。それぞれ、『薬機法』には次のような記載があります。

まずは「化粧品」から。

「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

原典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

我々が使っている、スキンケアの基礎化粧品(洗顔、保湿など)やメイクアアップ用品はこの「化粧品」に該当します。上の引用文から分かるように、きれいにしたり、容姿を美しく見せたり、すこやかに保つ役目を担っていますね。

次は「薬用化粧品」です。薬用化粧品は「医薬部外品」として扱われています。同じく『薬機法』から引用したいと思いましたが、少し込み入った説明になってしまうため、簡単にまとめられているWikipediaから引用しましょう。

医薬品と化粧品の中間的な分類で、人体に対する作用の緩やかなもので機械器具でないものである。
 (中略)
いわゆる薬用化粧品(やくようけしょうひん)は、薬用効果(予防等の効果)をもつと謳われる化粧品類似の製品で、日本の薬事法においては化粧品ではなく医薬部外品にあたる。

引用元:Wikipedia

例として、ニキビを予防したりメラニンの生成を抑えたりするコスメがこの「医薬部外品(薬用化粧品)」に該当しますね。購入すると分かりますが、必ずどこかに「医薬部外品」または「薬用」といった表記があるはずです。目にしたこと、ありますよね?

次は「医薬品」です。これも、分かりやすくまとめられているWikipediaから引用してみましょう。

ヒトや動物の疾病の診断・治療・予防を行うために与える薬品。使用形態としては、飲むもの(内服薬)、塗るもの(外用薬)、注射するもの(注射剤)などがある(剤形を参照)。日本では法的に、医療用医薬品と、薬局・薬店で誰でも購入できる一般用医薬品とに大別される。

引用元:Wikipedia

たいていイメージ通りかなと思います。要は、ドラッグストアの「薬」や病院での「処方薬」「注射」などが「医薬品」ですね。予防から治療までの効果を発揮し、病気・症状を改善に向かわせるためのものです。

俗にいうコスメ用品は「化粧品」か「薬用化粧品」

上でお分かりのとおり、我々が普段使っているコスメ用品というのは、「化粧品」か「薬用化粧品(医薬部外品)」を指しているはずです。特別な事情がない限り「医薬品」だと思って使っている人はいないでしょうから、まあそこはまずOKかと思います。

しかし問題なのは、非常に多くの人が「医薬品」としての効果を期待してしまっているという点です。

ちょっとここで、「化粧品」「薬用化粧品」「医薬品」のそれぞれの意味を簡単に再確認してみましょう。

  • 化粧品
    人体を清潔にしたり、容姿を美化したり、肌をすこやかに保つためのもの。作用が緩和なもの。
  • 薬用化粧品
    医薬品と化粧品の中間的存在。人体に対して予防などの薬用効果があるもの。
  • 医薬品
    病気の診断・予防から治療までを行うためのもの。

赤字のところに注目してみてください。それぞれの違いが一目瞭然かと思います。これは以下のお話の伏線なので、ここでひとまず覚えておいてくださればと思います。

「ニキビを治す」という効果について

ニキビを治す

さて、今回のテーマである「ニキビを治す」ということについて考えてみましょう。

ニキビを「治療」するなら「医薬品」

例えばAというアイテムがあり、それを使ったところニキビが小さくなった場合、次の2つのパターンが考えられます。

  1. Aに含まれている成分が効いて、ニキビが小さくなった
  2. Aは関係なく、偶然ニキビが小さくなった

この2つです。1のパターンの場合は、紛れもなくAには「治療」の効果があります。つまり「A=医薬品」といえますね。一方2のパターンだと、これだけの情報では「A=医薬品」とは判断できませんね。

今回重要視したいのは1のパターンです。「ニキビが小さくなる」以外にも、「ニキビを治す」「ニキビを消す」「ニキビに効く」「炎症を抑える」などといった言葉は、どれも「治療」的な意味合いを持っています。要は、そのどれもが「医薬品」としての効果として見なされる可能性があるのです。

「化粧品」「薬用化粧品」ではニキビは治せない

よって、「ニキビを治すクリーム!」などといった効果をうたっているアイテムがあったとしたら、それは「医薬品」であり、「化粧品」でも「薬用化粧品」でもないのです。

どうでしょう?驚きでしょうか。「え~、ニキビを消す化粧品を探していたのに・・・。つまり、そういう化粧品は無いってことなの?」と思った人もいると思いますが、はい、無いです。「化粧品」や「薬用化粧品」ではニキビは治せません。ちょっと残念ですよね。

ただ、先ほどの2のパターンの場合も起こりえます。特に治療しなくても、他の要因が絡むことでニキビが消滅に向かうこともあるので、その偶然と化粧品や薬用化粧品の使用とが重なったら、あたかも「化粧品がニキビを消してくれた」と見えるかもしれませんね。

しかし実際は、「化粧品」「薬用化粧品」はニキビを治してはいません。というか、医薬品以外では治療効果をうたうことが禁止されてすらいるのです。

医薬品以外では治療効果をうたえない

「薬発第44号薬務局長通知「薬事法の施行について」」によれば、「化粧品」で認められている効果・効能は、以下のとおりです(なお、皮膚や粘膜にまつわるところのみを掲載しています)。

(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひがそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38)芳香を与える。
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。
注釈1:例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注釈2:「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注釈3:( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

原典:薬発第44号薬務局長通知「薬事法の施行について」

以上の範囲であれば、いくらでもうたって構わないようですね。ただやはり、この中に「治療」を臭わせる表現はありません。

一方、「薬用化粧品(医薬部外品)」の場合は、以上のような具体的なものはなく、品目ごとに、品質、効果、安全性について厚生労働大臣の承認を受けることで販売ができるようになっているようです。そのため、この表現が良い・悪いというのは一概には言えないと思います。

ただ、見た感じでは、薬用化粧品の多くは「ニキビの予防」「ニキビを防ぐ」などの効果を持つものが多いですね。「改善」というのは微妙な気がしますが、あまり見たことがないのでNGとなる場合が多いのかもしれません。いずれにせよ、治療を臭わせるようなものは「薬用化粧品(医薬部外品)」としてもアウトでしょう。

化粧品や薬用化粧品でも、その中の成分が本当にニキビが治ったと実感する人も中にはいるかもしれませんが、たとえそれが本当であったと仮定しても、公にして「治った」「消えた」などという効果はうたえないのです。もちろん、友達に「これニキビが治るから試してみて!」と医薬品以外のものをおすすめすることもできません。

もし、医薬品以外の宣伝等において治療を臭わせる表現があったり、許された範囲内での表現ではないと見なされた場合は薬機法違反となり、告訴されるケースもありえます。完全ブラックな表現もあればぎりぎりグレーな表現(まあグレーっていうのも妙な話ですが)もあると思うので、気になる方は別途詳しく調べたり、専門家に相談してみると良いかもしれませんね。

ニキビを治したいなら皮膚科受診が良い

以上の話を知ると、ドラッグストアなどで自己判断で薬を買ってニキビを治そうという人もいると思います。しかし、ニキビを治すなら皮膚科を受診することをおすすめします。

ニキビと一口に言っても、人それぞれでタイプもでき方も違うと思いますから、自分の判断だけで何とかしようとすると良くならない(最悪の場合は悪化する)ことがあると思うので、お金がかかっても皮膚科で診てもらうのが安心ですね。処方薬も出ますし、必要なら施術もしてもらえるはずです。

「ニキビ予防」なら、色々な「薬用化粧品」で可能!

ニキビ予防

まだ現段階ではできていないニキビを「予防」するための薬用化粧品ならたくさんあります。だから、「治す」「消す」「小さくする」ことはできないですが、諦めるのは早い!というわけです。

予防こそ肝心

「私、すぐにニキビができてしまうんだよね」というなら、これからできうるニキビを先に防止して肌を整えていくことが肝心。そこで、医薬品・施術での治療や自然治癒などによって今あるニキビが消えていけば、おのずとニキビは減っていくと考えることができます。

もちろん「予防」であり「治療」ではないので、勘違いしないように気を付けましょう。

なお、ニキビ予防の薬用化粧品の例としてルナメアACというものがあります。気になる人は一度見てみてはいかがでしょうか。だいたいこんな感じのものだ、ということがお分かりいただけるかと思います。

ただ、あらゆる方面からの対策は必要

ニキビの原因というのは複雑多様なので、薬用化粧品でニキビを予防すればOKというわけでもありません。ニキビ予防薬用化粧品にもたいてい肌を整える保湿力がありますが、肌を整えるには体内からのケアも大切です。

体内のケアといっても、それ自体幅広いものです。食生活の改善、睡眠の質の向上、ストレスの解消、体質改善などなど、対策すべき事柄はたくさんあるでしょう。

これはニキビの「治療」においても「予防」においても同様で、自分の力で “ニキビのできにくい心身づくり” をしない限り、いつまでもニキビの怨念に取りつかれてしまう、というのが当方の持論です。

「しっかりスキンケアしてるのになあ」とか「薬を塗ってるのに治んないよ」と悩みを抱えている人は、本当にあらゆる対策をしていますか?しているのにもかかわらず良い兆しが見えない場合は、絶対に医師に相談すべきです。対策が足りないなら今日からでも実行してみましょう!

では最後に、今回のお話を簡単にまとめておきましょう。

  • ニキビを治療するなら、まず皮膚科を受診しよう
  • 化粧品や薬用化粧品では、ニキビを治療することはできない
  • ニキビの予防なら、色々な薬用化粧品で可能
  • 治療においても予防においても、あらゆる方面からの対策こそ重要

今回の記事では、法律を引っ張り出してきて小難しいお話をしました。でも、スキンケアをする上では法律のことはあまり必要ありませんね。以上の4つだけで良いので、心構えとしておさえておくと良いでしょう。

当ブログ内では、あらゆる対策についての記事をご用意しています。ニキビ対策にヤル気のある方は、是非ごゆっくり見て回ってみてください。

 
以上の内容は、2015年10月現在のものです
今後の法律の改正などにより、詳細・条件などが変わってくる可能性があります。


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